東方輪廻殺
第四話 異形

「はっ…はっ…はっ…」

リズムを取るように呼吸しながら山の中を走り続ける男が一人
足場が悪い山道なのに関わらず中々の速度で走っていた

「はっ…はっ…はっ……おっと…!」

途中でこけそうになるも何とかバランスをとり再度走り始める

「はっ…はっ………あっれぇ〜?何処だったかなぁ?」

ある程度広い場所まで来て何かを探し始める

「ったく親父も人使い粗いぜ…危険な山ン中に息子を一人向かわせるって何考えてやがる」
「忘れ物したなら自分で取りに行けって話だよもう!」

男が何かを探しつつ一人愚痴る

「目印の湖はさっき見たし…何処だぁ?」

中々目的の物が見つからず苛立つ

「…お…やっと見つけた……全く…早く回収して帰るか」

男は小さな小屋を見つけ 中へ入る









「………………」

小屋に入った途端男は固まった 思考フリーズ

「すー…すー…」

小屋の中には布を巻いてぐっすり眠る見知らぬ少女が一人

「………もしかして親父の忘れ物ってこの…隠し子か?」

ようやく思考が回復した男が呟く

「でも確かに忘れ物は砂金だって言ってたし…迷子か何かか?」
「あー…困った…見ちまった以上見過ごすわけもいかねぇし…どうしよう…携帯持ってくれば良かった…」

男は悩む この少女をどうしようかとひたすら悩んだ

「仕方ない…連れ帰るか……話はこいつが起きてからだな…」
「そうと決まれば砂金は…あったあった…」
「次にガソリンだが……う〜む…」

いくら何でも一人で人と大きなガソリン缶を同時に運べるわけが無い

「しかし親父は砂金の他にも忘れた物があるからできるだけ全部持って来いって言ってたしなぁ…」
「…起こしてみるか」

男は少女を起こそうと揺り動かす 途中軽くペチペチと叩くも一向に起きる気配が無い

「困った…夜になる前に帰らなきゃならんし…ガソリンは無理だな」

持てる物をできるだけ持ち 少女を抱えて男は帰る事にした









「ふぅ……あと一息…」

人里に着き家へと帰る
抱えた少女に気をつけながら部屋へ上がる

「とりあえずこの子は……これでよし…」

丁寧に寝かせ布をかける


「親父〜〜!!どういう事か説明してもらおうか!」

男の父親が居るであろう部屋に押しかけ問い詰める

「……何怒ってるんだ鉄?砂金は取って来たんだろうな?」

「砂金なんかどうでも良いんだよ!」

鉄と呼ばれた男がより怒って叫び親父に砂金の袋を投げ付ける

「何だと!?金は大事なんだぞ!?」

砂金の袋をキャッチし中を確認する親父

「そんな物よりあの子は何なんだよ!?隠し子か?あぁ!?」

「は?……何を言ってるんだ鉄?」

お父さんなんの事かわからないよ と変にジェスチャーし呆れる

「ちょっと来い!」

「はぁ…何なんだよ全くよ〜…」

親父は嫌そうに鉄について行く
そして少女を寝かせている部屋へ入った

「この子は誰か…説明してもらおうか?親父」

「鉄……誘拐は犯罪だ…すぐに返してきなさい」
「お父さんも一緒に謝りに行ってやるから…今ならまだ間に合うはずだ」

「あの山小屋で寝てたんだよ!親父の隠し子か?」

「何をバカな事を…俺はこんな子知らんぞ?」

「じゃあ何で親父の山小屋で寝てたんだよ!あの小屋は俺達しか使わねぇじゃねぇか!!」

「そんな事言われてもな…」

余計なトラブル持ってきやがって…と言わんばかりの困惑した表情で親父は少女を見る
そしてハッと何かに気づき息子を見る親父

「な…何だよ…」

「………鉄…もしかしてこのお嬢ちゃんに手を出してしまったか?(性的な意味で)」

「誰が手ぇ出すか馬鹿親父!!」

何考えてやがる…と目で睨むように言うが親父はスルー

「ん…むぅ……?」

ここでようやく少女が起きた
やれやれ ようやく事情が聞けそうだ

「あ、あれ?…何処此処……あ、貴方達は?」

困惑した表情で質問してくる少女  親父…何ニヤニヤしてやがる…

「此処は俺達親子の家で俺の部屋だ」
「んで俺の名は桐生 鉄(きりゅう てつ)って言うんだ このクソ親父が陸豪(りくごう)だ 君は?」

「おい鉄…誰がクソ親父だ?誰が?」

少女の返答の前に親父が反論する

「テメーに決まってんだろ!」

「誘拐犯に言われたくないわっ!」

父親をクソ親父呼ばわりする息子と息子を誘拐犯呼ばわりする父親
そんな様子を見て少女は笑った

「…何がおかしい」

鉄はそう睨みつける それを見てビクッと怯えシュンとなる少女

「鉄…怯えてるじゃないか やっぱりお前この子を誘拐したんだろ…」
「嬢ちゃん…君の名前を教えてくれないかな?な〜に俺はこの馬鹿と違って安心安全だ」

「誰が馬鹿で誘拐犯だコラ」

「事実だろバカ息子」

「え…えと…私は霊禍……あの…此処は山の中じゃ…無いんですか?」

「霊禍ちゃんか…良い名前じゃないか 此処は山の中じゃなくて人里だな」

陸豪が優しく答える

「っつーか何でお前親父の山小屋で寝てたんだよ?」

鉄が霊禍に問う

「…山の中を彷徨って休む場所探してたら小屋を見つけたから…そこで寝てたわ」

素直に霊禍が答える

「山の中を彷徨って?…危ねぇな霊禍ちゃん…」
「あの山には危険な輩が沢山居るんだ ドラゴンだって居るんだぞ」

陸豪がよくぞ無事だったと言わんばかりに注意する

「そんな危険な山にたった一人の息子を使いっぱしりにしたけどなこのクソ親父は」

鉄が憎たらしげに言う 親父が鉄を睨むが鉄はそれをスルーした

「さて霊禍ちゃん 俺は息子を誘拐犯にはしたくねぇ…もう手遅れかもしれんがな」
「家は何処だい?送ってやるよ うちの鉄がな」

「またテメーは俺を…はぁ…」

若干諦め気味にため息を吐く鉄
そして申し訳無さげに霊禍は呟く

「………………です」

「あぁ?何だって?」

聞こえなかったので聞き直すがまた少し怯えさせてしまったようだ
霊禍が少し鉄と距離を取る ちょっと悲しい

「…帰る家無いです」

「鉄…お前…誘拐だけじゃ飽き足らずこの子を帰れなくする為に殺人までしたのか?」

「誰がそんな事するか!バカ野郎!冗談になってねぇぞ!」

鉄が激昂しながら陸豪に怒鳴る

「う〜ん…じゃあ霊禍ちゃんは何処から来たんだい?」

「えっと…気づいたら山の中でした」

「…記憶喪失ってやつかぁ?」

霊禍の返答を聞いて鉄が呟く

「どうするんだ親父?」

鉄が陸豪に問う 勿論霊禍をどうするかという意味で
陸豪は少し考え…ゆっくりと話した

「そうだな…まずは鉄…山小屋にある物で持って来れなかったのを回収してこい」

「…親父はどうするんだよ?」

「まずは一軒一軒回ってみるさ 霊禍ちゃんの親が見つかるかもしれないしな」

鉄の問いに陸豪は答えつつ支度を始める

「あ…あの…」

その様子を見て霊禍が呟く

「何だ?」

「私親も居ません」

「「マジかよ…」」

二人揃って呆れる

「……マジです」

さっきよりも申し訳無さげに肯定する霊禍


「………鉄…早く行け 夜になっちまう」

しばらく沈黙が続いたが陸豪が息子に言う

「チッ…わかったよ…」

鉄はそう言って出て行った


「さて霊禍ちゃん あのバカは出て行った 本当の事を話してくれるか?」

何か勘違いしてるのだろうか?
陸豪は鉄に怯え霊禍が嘘を吐いたと思ってるようだ

「いえ…本当の事です」

「ふぅむ…悪いけど俺は霊禍ちゃんは記憶喪失だと思っている」
「君自身はどう思ってるんだい?」

陸豪は優しく…しかし決して嘘は見逃さないように問いかける

「記憶喪失…なのは私もそう思います…でもどういう経緯で此処に着たかは大体把握してます」

「そうか…なら霊禍ちゃんの過去をできるだけ教えてくれないかな?」

「…っ  …それは…」

「嫌か?」

「多分…信じてくれないと思うし……それに…」

「それに?」

「………」

陸豪が問い直すも黙ってしまう
事情を知れば捨てられてしまうかもしれないと そう思ってしまい言いたく無かった

ぐぅ〜〜〜……

ここで腹の音が鳴り 先程までの緊迫した空気は壊れた

「…ぷっ…はっはっはっはっはww  腹が減ったか霊禍ちゃん」

「〜〜〜///

赤面しつつも空腹である事を肯定するように顔を縦に振る

「よ〜しよし…じゃあ話は飯を食ってからだ しばらく待ってろ」

陸豪はそう言って部屋から出て行った



「親父〜!帰ったぜ〜!」

鉄が帰ってきたようだ
陸豪との会話が聞こえる

「げっ!親父が料理なんかしてやがる!きめぇ!」

「何だと鉄…飯抜きにされたいのか?」

「つーか何でこんな時間帯に…まだ飯には早いぞ?」

「霊禍ちゃんが腹減ったとさ 多分まだ何も食って無いんだろう」

「そうか…あいつは今どうしてる?」

「部屋で待ってる筈だ 様子を見に行ってくれるか?倒れちゃ堪らんしな」

「へいへい…」

鉄がこっちへ上がってくる足音が聞こえる
そして軽くノックしてきて入ってきた

「よう…調子はどうだ?」

「…まぁまぁ」

「嘘吐くな 腹も減って大分疲れてるんだろ?」

「………うん」

力無く答える

「これから…お前どうするんだ?」

「………」

少しピクッと動いたがそれ以降俯いたまま動かず沈黙が続く

多分出て行かされる事を怖れているのだろう

「まぁ俺は此処の家主じゃねぇしな…話は親父が飯作ってからだ」

「………………」

「怖いのか?」

「………………」

返答しなかったがゆっくりと顔を縦に振り肯定の意思を見せた

「そうか…」

鉄はこれ以上暗い雰囲気にするのは嫌だったので陸豪が飯を作ってくるのを静かに待った





「待たせたな〜って何だこの暗い雰囲気は?」

料理を持って部屋に入る陸豪

「鉄…女の子を泣かせるのは良くねぇぞ?」

「俺の所為かよ…」

「そうだ!何もかも貴様の所為だバカ野郎」

「てめぇ…」

「まぁ鉄はどうでも良いとして…ほら霊禍ちゃん 飯だ 味はまぁ…喰えるレベルの筈だ」

「…いただきます」

「「いただきます」」

三人は一斉に食事を始めた


「さて…喰いながらで構わねぇ…霊禍ちゃんの今後について話そうじゃないか」

「………!!」

それを聞いて不安な表情になる霊禍

「親父……まず俺から言っておくが家に置くってのはどうだ?」

鉄が提案する
それを聞いて少し驚きそしてやや嬉しそうに顔を見上げる霊禍

「………部屋はどうするんだ?鉄」

「俺の部屋を使わせてやるよ 俺は適当な場所で寝るさ」

「そんな…そこまでしなくても…」

霊禍はそこまでしてもらう事は無いと否定するが…

「じゃあ一緒に寝ろって言うのか?嫌だよ親父になんて言われるか…」

「あ…うぅ…」

流石に会ったばかりの男と一緒に寝るのはいくら恩人とは言え霊禍も御免だった

「飯はどうするんだ?鉄」

「足りないって言うなら俺の分を減らして構わねぇぜ 足りない俺の分は親父から奪うからな」

「貴様!人の飯を奪うとは何事だ!」
「…まぁいい 服はどうするんだ?鉄 流石に風呂に入れないってのはナシだぞ」

「そ、それは…」

流石にこればかりは代替が効かない 男二人で住んでいた家に女物の服があるわけもなく困り果てた

「他の家から…譲ってくれるよう頼めば良いんじゃねぇか?」

少し考えて鉄が案を出す

「…じゃ仕事はどうするんだ?鉄」

「! 私にできる事なら何でもやります!!」

鉄が答える前にそう答えた
もしかしたら此処で安定した生活を得られるかもしれないのだ 逃したくは無い

「ほぅ…じゃあ霊禍ちゃんは鉄の嫁にでもなってくれるのか?」

「え…?えっと……あの…それは仕事じゃ……ないんじゃ……」

予想外の質問に戸惑う

「親父…結局どうするんだ? いい加減答えてくれよ」

戸惑っている内に鉄が陸豪に問う

「それを答えるのは霊禍ちゃんの事情を聞いてからだ」

陸豪が答える

「はぁ?既に事情は解ってるじゃねぇか」
「記憶喪失で気が付けば山の中に居て帰る場所も無けりゃ行く当ても無し…助けてやらないとダメだろ?」

「霊禍ちゃんとの話はまだ終わってないんだ…」
「というわけで…霊禍ちゃん…君の過去を話してくれねぇか?」

「………わかりました」

「鉄…どんなバカげた話が出てきても笑ったりするんじゃねぇぞ?」

「そのセリフそっくりそのまま親父に返すよ そして約束してくれ」

「何だ?鉄」

「誰であろうと この子を助けてやってくれよ」

「それは話を聞いてからだな」

「………」

薄情な親父だと思った

霊禍は知る限りの自分の過去を正直に話し二人は特に何も言わずに話を聞く
そして話が終わったがやはり疑わしい話だった
しかし辛い過去だというのは解った

「…以上です」

すっかり食事も終わり 過去話は終わった
後は返事を待つだけ…
少し震えつつ霊禍は二人の反応を待った

「ふぅむ…(わざわい)ねぇ…」

陸豪が呟く

「俺にはとてもそうは見えねぇがな」

鉄が続くように言う

「鉄には見えねぇのか…霊禍ちゃんの邪気が」

「………何?邪気だと?」

鉄が驚くように問う
そして霊禍自身も驚いていた

(私の…邪気…? 今でもそれが出てるっていうの?)

牢姫は邪気に侵されれば死ぬと言っていた
牢姫が人間かどうかはわからないが少なくとも害あるものだというのは解る
人間には影響が無いとは言えない…もしかしたら明日にはもうこの二人は死ぬかもしれない
それとももはや手遅れなのかもしれない…
無事だとしても害ある私を置くわけにはいかないだろう 出て行かされるに決まってる…
不安が次から次へと出てきて…泣きそうになる

陸豪が口を開く

「………俺としては…いや、俺としても霊禍ちゃんを助けてやりたい……だが…」

「邪気があるからって追い出すのか?親父」

「冷たいかもしれんがどんなに可愛らしくとも赤の他人だ…俺は息子のお前を死なせたくない」
「息子のお前と…霊禍ちゃんのどちらを取ると聞かれれば迷い無く息子を選ぶよ」

「………そう、ですよね…わかりました…出て行きます…」

わかってた事だ 命が掛かっているし
私も私の所為で二人が死ぬのは嫌だ 私が出て行けば苦しむのは私だけ
そう思い 立ち上がる

「今までありがとうございました…ご飯…美味しかったです…」

「親父!」

「………霊禍ちゃん コレを持っていくと良い せめてものお詫びだ…」

そう言って陸豪は砂金の袋と弁当、水筒を差し出す いつの間に用意したのだろうか?

「これは砂金っつってな 金になる 路銀に困ったら使うと良い」
「弁当と水筒は…説明する必要は無いかな?まぁ腹が減ったら食べてくれや」
「それともし…あの山小屋に戻るのなら好きに使って良い…何も無いがな」

「……ありがとうございます…それじゃ…さようなら」

「すまんな…」

陸豪が謝る
助けられなくてすまないと 申し訳無さそうに謝る

「いいんです…十分に助けられましたから」

そう言って 二人の家から出て行く事になった





「親父!どうして追い出したんだ!もうすぐ夜になるってのに!」

霊禍が見えなくなった後 鉄は陸豪に怒鳴りつけた

「あの子は人に無い邪気を持っている 妖かもしれないんだぞ?」

淡々と答える

「此処には陰陽師だって居るじゃねぇか!邪気は何の問題も無いはずだ!」
「それにあいつが妖だからと言ってもあいつ自身が何かしたわけじゃ無いだろ」

「鉄…人ってのはな…異端にトコトン冷たい生き物なんだよ…わかるか?」

「はぁ?」

「………過去にな…片腕が無い人がこの里に住んでいたんだ」

突如昔話を始める陸豪
鉄は黙ってそれを聞き続ける

「その人物は片腕が無いってだけで異形扱いされ迫害された」

「何だよソレ…片腕が無いだけじゃねぇか!人間なのは変わらねぇだろ!」

「片腕が無いからこそ…なんだよ…鉄」
「普通と違う…だからこそ人々はそれを気味悪がり排除しようとする」

「じゃああいつを追い出したのもそういう事だって言うのか?」

「………そんな中片腕の人物を守る者が居た お前と同じ人間だと主張してな」
「そいつは片腕の人物を必死にサポートし里の者から嫌われても支え続けた」

「………」

「しばらくして二人は夫婦になり子を産んだ」
「しかしその子供は異形の子と忌み嫌われた 今度は普通に五体満足な人間なのにな」

「………っ!」

鉄は苛立ちを隠せなかった 少しでも異形と関わっただけで嫌う
それでも同じ人間かと そいつ等に怒鳴りたかった

「やがてイジメによる消耗で親が一人死んだ 片腕の者を守っていた方な」
「その者の死は異形の呪いと称しさらにイジメが進んだ」

「ふざけんな!!」

思わずキレてしまい親父に怒鳴る

「…過去の話だ 続けるぞ?ついに片腕の者も死に、子は独りとなった」
「だが異形の子だから関われば呪われると無い事を言われた」
「月日が経ちようやくイジメが収まり始めた所でその子にも理解者が現れた」
「すぐに仲良くなりその者と夫婦になり子も成した」
「だが子を産んだ時の消耗でその子の母は死んだ」
「異形の呪いと呼ばれるイジメが再発し後を追うように父も死んだ」

「…子供はどうなったんだよ」

「子供は両親の親戚に預けられた 当然の如くその親戚もイジメを受ける事になった」
「やがて子供は大きくなり皆の為に働いた それが功を成したのかイジメは格段に少なくなった」
「そしてその子供にもパートナーが現れ夫婦になった」
「だがそれと同時に親戚が謎の死を遂げた 当然呪いと称され周りから嫌われる事になった」

「………どうして親戚の人は死んだんだ?」

「それはわからない…続けるぞ? 妻は呪いなんか関係ないと庇いみるみる内に消耗していった」
「しばらくして呪いという名のイジメは消え周りからも普通の目で見られるようになった」
「しかし妻はすっかり弱ってしまっていた 後にお前を産んで死んだ」

「………え?」

鉄は耳を疑った 親父は確かに今「お前を産んで死んだ」と言った

「話は以上だ わかったか?異形に関わればそれだけで長い苦しみが襲い掛かる 理不尽だろ?」
「俺はもう…そうなるのは嫌だったんだ わかるか?鉄」

「親父…それは実話なのか?」

「当然だ 俺自身冗談だと言いたいが真実だ」
「わかったか?俺はもう 異形には関わりたく無いんだよ すまんな…鉄」
「だからあの子の事は諦めろ お前まで苦しむ事になるだろう」

そう言って陸豪は自室へと向かう

「そうそう…陰陽師が居るじゃないかとお前は言ったな…過去のイジメのリーダーはその陰陽師の一家だ」
「俺はあいつ等が嫌いだ この事を黙ってたのはお前は何も知らずに生きて欲しかったからだ すまんな」

「………」

話が終わり 親父は自室へと戻っていった
鉄はただ呆然とするしか無かった










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あとがき

第四話終了〜 いや〜今回も平和回でしたね〜

今回は空腹で恥ずかしがってる禍たんがすげー良かったですね〜 可愛いぃぃっ!!

一般人が出せたよ!やったね! どうでした?
今回はこの親子メインで話を進めてみました
ちょっと誰が話してるか解りにくかったかな…まぁ改善したいと思います
この親子は比較的わかりやすく理解できそうな人物に仕上げたつもりです
特に鉄さんは単純で一番同意というか感情移入とか…
まぁそういうのがやりやすかったんじゃ無いでしょうか?w

陸豪パパは結構ふざけて書きましたね
何かこんなパパ居たら若干楽しそうじゃね?って感じで書いた
鉄さんは迷惑そうですけどねw

禍たんを山小屋からお持ち帰りぃ〜する時はできるだけ変態扱いにならないよう注意しましたね
どうやってお持ち帰りしたかは皆さんのご想像にお任せします
ちなみに私のイメージではお姫様抱っこでしたw
てか同じ立場になったら皆さんどうします?
パッチェさんやアリスさんが同じ立場なら絶対胸とか揉みますねw 皆はそんな変態な事しないよね?


さて、何だかんだで水筒GETです 一番欲しい道具はコレでしたw
木材や鋸とかじゃどうやっても水筒は作れないなぁと前話で思ってたんですよ!
でも水筒入手したから何?って話よね 禍たんこれからどうなっちゃうのかしら

それとこの人里ではある程度科学が発展してます
銃があるなら携帯あっても不自然じゃ無いよね?w
科学が発展しつつ幻想が忘れられなかった世界みたいな感じです
でもそこまで大きく科学は発展してませんよ?
まぁどんな道具が出てきてもそういう世界なんだって思いこんで下さいw
だって小屋に火炎放射器がある時点で…ねぇ〜?w

それじゃ何時まで続くか…完結できるかどうかは知りませんが 次話あとがきで会いましょう


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