東方輪廻殺
第七話 新展

「………」

どこからともなく声が聞こえる

「…きろ…」

段々と意識がハッキリしてくる 私は生きているのか?
いや、確かに撃たれた筈だ…生きているわけが無い
なら…この声は一体?

「起きろ…」

何度も呼びかけてくる声の主を見ようとゆっくりと目を開き起き上がる
見知らぬ部屋だ…柔らかいベッドの上から辺りを見渡す
すぐ傍に私をじっと見る女が居た

「………ようやく起きたか」

「…あなたは?」

私は呼びかけていた女を見て問う
やや身長が大きくて長くて青い髪に緑色の目をした女だ
真っ黒いローブのようなものを纏っており魔術師のような格好をしている
ハッキリ言って怪しい人物だった…失礼だから言わないが

「………私の名は『リフ』…お前は?」

「…霊禍と言います」

軽く自己紹介済ませ早速質問しようとするが…

「そうか…霊禍、腹が減ったろう?コレでも喰え」

喋る暇もなく食事を出されたのでまずは食べる事にした




食事をしながら周囲を観察する
どうやら此処はリフの家らしい
白い無機質な壁に囲まれて所々に家具らしきものが飾られている
得体の知れない物が沢山ある

「………不味かったか?これでも自信はあったんだが…悪いな」

食事が進んでない様子を見てリフが尋ねる

「あ、いえ…ちょっと…混乱してて…」

気を悪くしてしまったか…
そう思いリフの料理を食べる 美味しい…

「食べながら聞いてくれて構わない 幾つか質問があるから適当に首を振る等して答えてくれ」

食事中の私にリフが話しかける
卵を食べつつ私は聞く

「まず最初に…君は此処がどこか知ってるかい?」

私は首を横に振り否定する
ウィンナーを食べつつ私は聞く

「………次に君は以前何をしていたか憶えているかい?」

私は首を縦に振り肯定する
パンにジャムを塗りながら私は聞く

「………次に君は妖怪や幽霊または神なる存在を信じるかい?」

私は首を縦に振り肯定する
暖かいスープを飲みつつ私は聞く

「………次に君に仲間とかは居るかい?」

仲間…私に仲間は居るのだろうか?
強いて言えば牢姫が該当するが生憎この世界に牢姫は居ないだろう
そして多分…今のこの"世界"は前の…鉄と陸豪が居たあの"世界"では無いのだろう
段々と混乱は収まってきた………もし別の"世界"なら私はやはり………死んだ事になる

私は首を横に振り否定する
ミルクを飲みつつ私は聞く

「………最後だ…君は能力を自覚しているかい?」

私は首を横に振り否定する
料理を全て平らげた

「美味しかったです…ありがとうございます」

「礼には及ばん さて、聞き直したい事もあるが君も聞きたい事はあるだろう?」
「私に答えられるのならば…何でも、嘘偽り無く、答えよう」

答えられることなら何でもか…これはありがたい
一気に色々と聞いてしまおう

「えっと…じゃあ…此処は何処なんですか?」

「此処は第一都市[ピルグム]の上層界の私の塔の中の6階の2号室だ」

「………?」

いきなり聞きなれない単語が次々と出てきた…き、気になる…
まぁそれは後からだ 次の質問をしよう

「あなたは…私を助けたの?」

「そう…だな…急に現れたので保護したと言った方が正しいかもしれん」

どうやら私は前触れも無く突然出現したらしい
いきなり殺されなくて良かった…

「じゃあ…あなたは私の能力を知ってるの?」

「いいや…だが知る術はある 私の知人に会えばな…」

どうやら私の能力を知る事ができるそうだ なんとしてもその知人とやらに会いたいが
多分リフさんは今私が敵かどうか探ってるのだろう 向こうから誘われるまで諦めた方が良さそうだ

「では…あなたは私を殺そうとしている?」

「そのつもりは無いな…今のところは」

今は敵意は無いという事かな?できるだけ敵にならないよう注意しなきゃ…

「………あなたは…私の事どう見える?」

「…それはどういう意味だ?」

「えっと…私の邪気が…見える?」

「あぁ…結構なモノだな……それで?」

「あ、あなたは…邪気が効かないんですか?」

「いいや死ぬよ だがその程度なら自力で浄化できる だから君の事は怖く無い」

どうやらリフにとっては私の邪気は問題ないそうだ
ますますリフを味方にしたくなった

「私をこれからどうするつもりですか?」

「それは今は答えられない こちらの全ての質問が終わってからその問いには答えよう」

…まだ調べ中という事か
良い答えが返ってくることを祈ろう

「じゃあ…ピルグムって何ですか?」

「それは第一都市の名前だ 他に第二都市[ハルゲン]、第三都市[トルーヴ]がある」
「それぞれの都市は対立していてそして貧富の差が激しい」
「最も裕福なのがこの第一都市[ピルグム]だ 第三都市[トルーヴ]が最も貧しい」

「上層界ってのは?」

「一つの都市にも階級というのがあるのだ」
「コチラも三段階に分かれており上層界、中層界、下層界と分かれている」
「今この場所は上層界と言われる部分にあたり下位の者は特例が無ければ立ち入りができない」

「と言う事はリフさんは偉いんですか?」

「それは違うな…我々魔道師は中立な立場に居てな…私はまぁ…その中でも異端児だよ」
「私が異端と呼ばれるのは全ての都市、全ての層にそれぞれ拠点を持っているからだ」
「だから私はこの世界の何処に居ても別に困りはしない」
「そして上層界へ行けるからと言って偉いわけでもない」

リフさんは結構変わり者だったそうで都市や層に縛られないそうだ
こんな人に拾われるとは私は運が良いのかもしれない………邪気も効かないし

「最後に………」

ちょっと口ごもる…
最後の質問の答えは聞きたいが同時に聞きたく無い事でもある

「………?最後に…何だ?」

リフが問いかける
ここは思い切って…

「最後に………最後に………………何でもないです」

「そうか…」

言えなかった…最後にしようとした質問は「あなたは私の味方ですか?」というものだ
もし…味方じゃないと答えられればそこまでの関係になってしまう
リフさんは中立な立ち位置である魔道師らしいし
私なんかが関わったところで私個人を味方として見ることは…多分無いだろう…

「ならこちらから改めて聞くぞ?君は以前何をしていたか教えてくれないか?」

「信じてくれないと思うけど………」

私は今まで体験した事を大まかに説明した
主に牢姫に会った時の事と前の世界で死んだ事だ
変な話…になってたかもしれないがリフは全く笑わず真剣に聞いてくれた

「………次だ 君が知る限りの妖怪、幽霊、神なる存在を教えて欲しい」

「うろ覚えで良いなら…」

私は分離前…つまり霊夢だった時の記憶を何とか思い出しながら話した

「………そうか…では行くか…」

話が終わりリフが立ち上がり支度する

「え?何処に…行くんですか?」

「知人の所にだ 君の能力を調べる為にな」
「そして…君への処遇はその能力が判別次第 決めさせてもらう」

良くも悪くも私の能力次第という事か…
牢姫の予想が正しければ私の能力は「時空間を操る程度の能力」だが…

「さ、行くぞ 付いてきて」

リフと共に部屋の外へ出た





「うわぁ〜………」

外は何ともいえない光景が広がっていた
所々に立つ大きい塔が沢山あり 空を飛ぶ乗り物が無数に飛び交っている
まるで未来都市のようなそんな感じだった
ただ…静かで無機質な感じがした…自然らしきものも何も無い…

紫は…この事を危惧して幻想郷なるものを創ったのだろうか?
今目の前に広がっているのは多分紫自身知らない程の科学で埋め尽くされているのだろう
その証拠にどれだけ見渡しても妖力や神力は感じられない 魔力は普及してるのか所々から感じる

「霊禍…こっちだ…」

リフが手招きする 何やら魔法陣のようなモノがそこにあった

「転送陣だ…空間と空間を繋ぐ魔法陣でな 時間を掛けずに長距離を移動できる」

なるほど__と私は思いリフさんと一緒に魔法陣に入った

フッと急に景色が変わる 先程の未来都市とは打って変わって自然があちこちに見える場所

「此処は第三都市[トルーヴ]の下層界の公園だ あいつは此処が好きでな…」

「あ…妖力…?」

さっきの未来都市と違って所々から妖力を感じた
かなり小さいが…もしかして妖怪が居るのだろうか?

「お…居たぞ 運が良い 此処に居なかったら一日探すハメになってたからな」

リフがそう言いベンチに座っている男に近づく

「おぉ?リフか?久しいな…俺に何か用か?」

男がリフに気づき話しかける

「まぁそんなところだ…霊禍 来てくれ」

私は素直に言う事を聞き 男の前に立つ リフも大きいがこの男もかなり大きい
男の容姿は…リフと同じようなローブを纏っていてこの男のローブは藍色だ
髪は黒くてやや長い、目は片目で真っ赤だ 少し怖い顔をしている
睨まれたらそこらの子供は泣いて逃げそうだ

「霊禍…この者は『クリェドゥス』という名で私の友人だ」

「クリェドゥスだ…周りからは『隻眼大老』と呼ばれてる 全く…俺はまだ若いっつーの」

「934億年も生きていて若いとはよく言う」

リフが笑いながらクリェドゥスをからかう
それにしても934億年…不老不死なのだろうか?
本当ならこの者は気が遠くなるような年月を生きてそれ相応の辛い思いをしたのだろう…

「もうすぐ1000億歳だ 祝ってくれるよな?」

「それまでに私が生きていたらな」

他愛も無い会話を交わしつつ本題へ入る

「さてクリェドゥス…早速だが霊禍の能力を調べてもらいたい」

「霊禍さんは能力を自覚してないのかい?」

リフに促されクリェドゥスが質問を始める

「あ…はい…予想は言われたんですがイマイチ実感無くて…」

「なるほどなぁ…何て予想された?」

公園に居る野鳥に餌を撒きつつクリェドゥスが問う

「時空間を操る程度の能力だと予想されました」

「惜しいっ!40点! その予想をした者にはこのアメをくれてやろう」

予想を聞いたクリェドゥスはすぐそう言って何処からか飴を取り出し霊禍に贈った

「ではクリェドゥス…霊禍の能力は何だ?」

リフが問う とっとと教えてくれないと困ると言いたげだ

「知りたい?」

「あぁ…知りたい」

「ホントに知りたいの?」

「ホントに知りたい」

「絶対に何が何でも知りたいの?」

「絶対に何が何でも知りたい」

「本当にどんな事をしてでも何があってもどうなってでも知りたいの?」

「本当にどんな事をしてでも何があってもどうなってでも良いから知りたい」

「本当に本当に「口説いぞクリェドゥス」………すまんね」

漫才をする二人に思わず笑ってしまう

そしてクリェドゥスはじっと霊禍を見て真剣そうに問いかける

「霊禍さん…」

「は、はい!?」

「一つだけ質問に答えてください 君の能力を予想した者の名前を教えてくれないか?」

「え?別に良いですけど…私の能力を予想したのは『焔 牢姫』という者です」

「………そいつは影みたいな奴だった?もしくは影を使ってた?」

「えぇ…そうですけど…?」

「やはりそうか…」

一人納得したようにクリェドゥスが頷く
思わずリフを見てみるがリフも何が何だかわからない様子だった

「では君の能力を教えよう 霊禍…君の能力は『次元を司る程度の能力』だ いやはや…恐ろしい」

「次元を司る?」

これまたイマイチピンと来ない能力だ とにかく時空間を操る能力よりかはやばそうだ

「霊禍…どれだけふざけた事を言われてもクリェドゥスが言うなら間違いないだろう」
「クリェドゥスの能力は『解明する程度の能力』だ」
「余程の例外かこいつが嘘を吐いていない限りこいつが言う事は真実と言って良い」

リフが本当の事だと私に言い聞かせる
そしてクリェドゥスが再度私に問いかけた

「霊禍さんはこの能力が100%完全に扱えたらどうするのかね?」

「わからないです…何ができるかもわからないし…想像すらできない」

私は素直に答えた

「そうか…なら一つ…約束してくれないかな?」

「約束?」

「どんなに親しくて近しい存在であっても…決して頼まれただけで使うような事はしないでくれ」
「その能力で助けるべき存在は…君自身だからね…自分を最優先しなさい」

まるで未来予知のようにクリェドゥスは忠告する

「自分の為だけに使えって事ですか?」

「その通りだ…その能力は他と比べたら群を抜いて強力だ だからこそ他の存在に流されないで欲しい」
「必ず最終的に君自身の為になる結果を重視して能力を使ってくれ 俺からのお願いだ」

そう言って深々とクリェドゥスは頭を下げてお願いする

「もし…他者の為に使ったらどうなるんですか?」

「度合いによるが…その存在は君の手によって書き換えられるだろう」
「次元を狂わされたその存在は死んだ事に他ならないと俺はそう思う」

「でもそれって自身の為に使って他者を巻き込んでも同じ事が言えるんじゃないか?」

話を聞いてリフが問いかける

「例えるなら…そうだな…他者の存在は卵みたいなモンだ」

クリェドゥスが話始める

「卵を手にしたとする…それを食い物にすればその卵はそこまでだ 自分は腹が膨れ卵は死ぬ」
「リフ君…君が言った巻き込まれでの死はこんな感じだ」
「では…他者を助けようとした場合の例えをしよう」
「卵を孵化させ育てるのがそれだと私は考える 卵から生まれた存在は生きていると言えるかね?」
「私は"否"だと思う その存在は生かされてるだけなのだ 育成を放棄すればすぐ死ぬだろう」
「ならば…それは最初から死んでいるのと同じじゃないかね?」

要するに生かされてる=死んでいるというのを言いたいようだ
しかしそれでもまだよくわからない…

「それは自分で生きる術が無いからでしょ?その生きる術があれば独り立ちできます」

私はそう反論する

「俺が言いたいのはその生きる術を持たせるかどうかさえも君の自由というわけだ」
「次元操作で狂った存在は死ねば生かす必要が無かっただけで生きればそれは生かされてるだけだと思う」
「それを繰り返していけばやがて単一の存在だけでなく世界すら君の手によって生かされる事になる」
「そんな世界は偽りの世界だと俺は思うね そんな事をされるなら俺はいっそ殺してくれと願うよ」

クリェドゥスがやや怒鳴るように言う

「じゃあ…どうすれば良いんですか…」

「だから…他者の為を思うんじゃなくて自分の為に使ってくれって言ってるんだ」
「何も使わないでくれとは言って無い それにコレは俺個人の頼みだしな」
「もしかしたら中には…むしろありがとうって礼を言ってくれる輩も居るかも知れんぞ?」

今度は優しく微笑み一人の戯言に過ぎないとクリェドゥスが言う
どうすれば良いのか結局わからなかった 気ままに使えって事なのだろうか?

「ところでクリェドゥス…霊禍は能力を行使できそうか?」

どんなに凄くても使えなければ宝の持ち腐れ
そう言わんばかりにリフが問う

「いずれは出来るだろう………俺は手伝わないぞ?仕事が出来たからな」

これ以上協力はしないとクリェドゥスが答える

「仕事?…今までお前に仕事なんてあったか?」

「ちと焔 牢姫の目的を探ろうと思ってな」

牢姫の目的…そういえば全然わからないな
今の所私に協力してくれてるけど…何の為に協力してくれるんだろう?
私の能力が欲しいから?牢姫は対象の影を創ってその対象の能力を使える それで何かしたいのか?

「でもクリェドゥスさん 牢姫は…此処にはいませんよ?」

ここもまた別の世界…牢姫はこの世界の何処にも居ない筈だ
なのにどうやって調べると言うのだろうか?

「どうするのかは………企業秘密だ」

そうにっこりと笑ってクリェドゥスは消えた










「はぁ〜…」

リフがため息を吐く
あれから頼りになれそうな人物に幾つかあたったのだが
結局クリェドゥス以外話にすらならなかった
何せ能力が規格外過ぎるのだ

「り、リフさん…あの…私はこれからどうなるんですか?」

この世界で私が目覚めた部屋…
確か第一都市[ピムルグ],上層界,リフの塔の6階の2号室だ まぁそこでくつろいでいる
これからどうなるんだろう?追い出されたくないな…

「『ピルグム』だ霊禍…今の所追い出すつもりは無い」

「………///」

どうやら思わず声に出てたようだ 間違えてしまって気恥ずかしい

「あ…あの〜…良ければお願いがあるんですけど…」

「何だ?何でも言ってみろ それが出来るかどうかは聞いてから判断するが…」

「私に戦う術を教えてください」

これは前の世界でどうしようか悩んでいた事だ
私は全くと言って良いほど戦う事が出来ず命を狙われればすぐに命を落としてしまう
実際前の世界では成す術無く殺された
上手くいった場合の世界で理不尽に狙われても生き延びれるようにしたい

「そうか…よし…そうだな……しかし…あいつはなぁ…」

リフが私のお願いを聞いて思い悩む

「お願いします…生き延びる為にも戦う術は必要なんです!」

私は頭を深々と下げリフにお願いする

「………修行に付き合ってくれそうな暇人を一人だけ知っている…」
「しかしそいつはちょっと問題があってな…だがこいつしか居ないのも確かだ…どうする?」

問題とは何だろうか?性格に難があるとか?
どちらにせよこっちは選りすぐりできる程余裕があるわけじゃないのだ

「お願いします!」

「わかったわかった…そこまで言うなら連れて行ってやろう 付いて来い」

そう言ってリフと共に転送陣でワープした





「ここは…?」

都市でも無く…だからと言って自然豊かな森や山の中でもない
中途半端に発展した街の中へ出た 所々自然が残っている

「第二都市[ハルゲン]の中層界だ ここにあいつが居る」
「確認するぞ?本当に良いんだな?戻るなら今だぞ?」

リフが心配そうにこっちを見て確認する
しかし背に腹は代えられない 私は強くならないといけないのだ

「いつまでも弱いままじゃ嫌です 私は自分の身を守れるくらい強くなりたい」

「わかった…そこまで言うなら覚悟してもらおう…行くぞ」

しばらく街を歩いているとやたら賑やかな場所に出た

「ここら辺は毎日祭りのように賑やかでな…遊ぶには第一都市より困らん場所だ」

リフがキョロキョロと周りを見渡す私に言う

「ついたぞ…」

「リフさん………此処って…」

着いたのは立派な道場…なんて事は無くゲームセンターだ
この世界には詳しく無い私でもそこが『遊び場』ってのがよくわかる雰囲気があった
というかそういう雰囲気しか無かった
こんな場所で大丈夫か?と思わず心配そうにリフを見る

「大丈夫だ…問題ない…」

リフと共にゲームセンターに入る もの凄く心配だ…




「馬鹿野郎!何してるふざけるなぁー!!」

青年が叫ぶのが聞こえ私はそっちを見る

「残念だったなぁ…俺はこっちについた方が面白いと踏んだ」

「貴様!裏切るのかぁー!」

「はいローン」

「うわあぁぁぁああああ!!!」

どうやらあの青年は嵌められているようだ…頑張れ…



「嬢ちゃん嬢ちゃん…俺と魚松ごっこしな〜い?」

急に話しかけられた ナンパって奴だろうか?てか魚松ごっこって何だろう?

「今忙しいんだ…向こうに居る奴にでも誘ってみればどうだ?」

リフが若干怒り気味にナンパを追い払う

「ねぇリフさん…魚松ごっこって何ですか?」

「世の中知らない方が良い事もあるってものだ」

そう言って答えてくれなかった



「バカ!このバカ!このっ……もうホント信じられないくらいバカ!もう一つおまけでバカ!」

またも叫び声が聞こえてそっちを見る
どうやら少女が何か映っている台に向かって怒っている

「あぁーっ!もう!何でまたフリーズすんのよ!このバカ!乗算も出来ないなんてホントありえないわ!」

今度は台を叩き始めた少女
私には到底理解できないが物に当たるのはダメだと思います まる



「ふっ…その程度とは笑わせる!行くぞ!俺のターン!!」

やたら変な声が聞こえたのでそっちを見る
何やら対峙していて札を台に出し合っている カードゲームという奴だろう

「Lv3とLv4のモンスターをチューニング!」

「ま、まさか!」

「そうだ、シンクロモンスターを使うのはお前だけではない!現れろ!ダーク・ダイブ・ボンバー!」

「やめろぉ!そいつを使ってはいけない!」

随分盛り上がってるようだ 実に楽しそうである



「ジョインジョイントキィ」

やたら耳に残る電子音を聞いてそっちを見る
台に映像が映っていてその中に二人、人が立っている

「デデデデザタイムオブレトビューションバトーワンデッサイダデステニー」
「ナギッペシペシナギッペシペシハァーンナギッハァーンテンショーヒャクレツナギッカクゴォナギッナギッナギッ」
「フゥハァナギッゲキリュウニゲキリュウニミヲマカセドウカナギッカクゴーハァーテンショウヒャクレツケンナギッハアアアアキィーン」
「ホクトウジョウダンジンケンK.O.イノチハナゲステルモノ」
「バトートゥデッサイダデステニーセッカコーハアアアアキィーンテーレッテーホクトウジョーハガンケンハァーン」
「FATALK.O.セメテイタミヲシラズニヤスラカニシヌガヨイ ウィーントキィ パーフェクト」

片方のキャラがもう一方をボコボコにしてた
数秒で終わった 殴られてた方が可哀想だ



「霊禍…着いたぞ?」

「あ…はい」

カオスな店内を適当に見てたらいつの間にか到着したらしい
此処に…私を鍛えてくれる人が…

リフがドアをノックする

「どうぞー開いてますよー」

そう聞こえたのでドアを開く………鍵が掛かっていた

「開いてないじゃん!」

思わず突っ込んだ










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あとがき

第七話終了 平和回でしたね

まぁ5,6話でちょっとしんみりしてたと思うのでその空気をぶっ壊してみました
多分7話以上のネタ回はもう出ないと思う

そして何だかんだで能力が判明しました 何時どうやって解明させるか課題だったんですよね〜
ここは新キャラ使ってホイッとやっちゃいました しかしまだ能力は使えません 役立たずがっ!

そんなこんなで新世界…しかも色々とありそうな設定した世界に来ました
第一都市とか下層界とかもうホントどっかにありそうな設定ですよね〜

ゲーセンは…とにかくネタ回にしようぜってことでふざけてみました どうでしょ?
魚松ごっこの詳細は私でも知りません むしろ教えて欲しいですw

色々とネタが過ぎたので今度はこの壊れまくった雰囲気をどうシリアスに戻すかが課題ですねー

それじゃ何時まで続くか…完結できるかどうかは知りませんが 次話あとがきで会いましょう


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