東方輪廻殺
第八話 開花

カチッ ガチャ
鍵が開けられ今度こそドアが開く

「ほう…?お前か…珍しい…まぁ中に入れ」

中から男が出てきて部屋へ入るよう招く
リフに続くように私も部屋へ入った

「で?何の用だ?」

男が私をチラチラと見つつリフに問う
…何故私を見る度嫌そうな顔をするんだろう…傷付くな…

「簡潔に用件を述べよう この娘…霊禍を鍛えて欲しい」

「嫌だ」

男が即答する

「どうしてもか?」

「どうしてもだ」

「どれだけ金を積んでもか?」

「お前はこの小娘一人の為に全財産を掛けてくれるのか?」

「…今なら揉み放題だぞ?」

「ちょっ!リフさん!」

嫌なセリフが聞こえたので反発する

「…冗談だ」

「その条件ならちょっと考えたかもしれん」

「ではどうしても嫌だと言うんだな?」

「あぁ…嫌だ」

「…理由を聞こうか?」

ここまで拒否されたのがリフにも意外だったようで訝しげに理由を聞く

「質問を返すようで悪いがこっちから聞いてもいいか?」

男は理由を話さずにむしろ聞きたい事があるようでリフに問う

「………何だ?」

「何故その小娘を鍛えてやる必要がある?」

「本人がそう望んでいるからだ」

「俺が聞きたいのは鍛えてやってお前自身に何のメリットがあるのかと聞いているんだ」

「…戦力になるからだ」

リフが答える
戦力…?私が?

「…次だ 鍛えてやるとして…その間お前はどうするんだ?」

「無論私は私の作業に入る」

「つまりお前はその小娘を俺に預けると言うんだな?」

「そういう事になるな」

「俺はその小娘から出てる邪気に対して何の免疫も無い お前は俺を殺したいのか?」

そこまで聞いて私は慌てる いくら強くなりたくとも私の為に誰かが死ぬのはごめんだ
そんな犠牲なんて要らない 私は話に割り込む

「な、なら無理強いはしません 命の方が大事だし…すみませんでした!」

「霊禍…お前は強くなりたいんじゃなかったのか?」

リフが心配するように聞いてくる

「確かに強くなりたいけど だからと言ってその為に誰かが死ぬなんて私は嫌です」

「霊禍…クリェドゥスが言ってただろう?自分を最優先しろと」

「それは能力の話ですしそれに従う必要も無いですよ?」

「………そうか」

「…話は以上だな 仮に俺がどんだけ望んでも本人が嫌っつーんなら仕方ない とっとと帰りな」

男はシッシと手を振って帰れと言う

「失礼しました」

私は礼をして退室する

「もう二度と来んなよ」

去り際にこう言われた こうも明らかに嫌がられると悲しい…





普通に帰ってきて今は私が目覚めた部屋だ
帰った途端リフが真剣な表情で話しかける

「霊禍…お前が他者を思い生きると言うなら仕方ない 無理矢理にでも強くなってもらおう」

そう言って突如変な空間へ落とされてしまった

「なっ!?り、リフさん!何を!?」

落とされた空間は真っ暗だったが地面が怪しく光っているので完全な暗闇では無い
ある程度離れた位置に魔法陣が浮かんでいる…

暗い空からリフの声が聞こえる

<そこは私が創った所謂異次元空間だ>
<霊禍…先程も言ったがお前には否応にでも強くなり能力を扱えるようになってもらおう>

「それは何故…?」

私には理解できなかった 私が強くならなくても別にリフは困らない筈だ

<私の目的の為だ>

「目的…?」

<そうだ…私の目的はこの世界を滅ぼす事だ その為に何年も前から準備していた>
<そこでお前が現れた…身体から溢れる邪気を見てただ者じゃないとすぐに気づいたよ>
<もしかしたら私の目的をより早く達成できる逸材かもしれないと思ってお前を保護したのだ>

リフが答える
世界を滅ぼす?どうして滅ぼそうとしているのだろうか?
そんな事をすれば自分自身死んでしまうのでは?リフは別世界へ移動する手段があるのだろうか?

「どうして世界を滅ぼそうとするんですか?」

<私はこの世界を支配するあいつ等が嫌いでね>
<あいつ等はあらゆる生命を駆逐し滅ぼした あらゆる幻想種を死に追いやった>
<実際この私も…種族としては最後の生き残りでね 他の同種となるエルフは全て死んだ>

「…つまり復讐の為に世界を滅ぼすって言うんですか?」

<そう…だな…あいつ等は私の知らぬ生命を殺しすぎた…その怨みだよ>
<失ったモノは二度と帰ってこない ならせめて憎きあいつ等を滅ぼそうと思ってな>

「………あいつ等ってのが誰かはわからないけど…その者達にも都合があったんじゃないの?」

<………あいつ等の事を知る為に色々と行動したよ…>
<私はこの世界の全ての都市全ての層に拠点を持つと言ったな?>
<それぞれの拠点は実はな…その層で貢献した者を称えて建築を許されたモノなんだ>

「それってつまり…全ての都市全ての層から信頼されてるって事じゃないですか?」
「そこまでしてどうして滅ぼそうなんて…」

<私はそれだけそれぞれの都市、それぞれの層を見てきたという事だ>
<あいつ等にもマシな部分があると信じてずっと観察してきた>
<だがあいつ等はやはりどこまでもクソな奴等で 結局私の気持ちが揺らぐ事は無かった>

「…だったら何故世界を巻き込んでまで滅ぼそうとするんですか!?勝手すぎます!」

<世界を残せば第二のあいつ等が生まれるのは明白だからだ 同じような犠牲は要らないだろう?>
<それに勝手なのは重々承知している だが行き着く先は"無"だ 全てが解放される>

もう何を言ってもリフはこの世界を壊す気なんだろう…
私はもはや説得できないと諦め次の疑問をぶつけた

「私を…その為に利用するって事?」

<そうだ…クリェドゥスから能力を聞いた時私は喜んだよ こいつは使えると>
<正直言うとな…お前の存在は私にとって棚ぼたのようなものだ 別にお前の事などどうでもいい>
<それにお前が居ても居なくとも私はこの世界を滅ぼすつもりだからな…>

やはり世界を滅ぼすのを止める気はさらさら無いようだ それが目的だったのだから
そして…私の事を味方として見てたのではなく道具として見てたのか…
そして………私の事なんてどうでもいいと今…はっきりと言われた…

<お前をこの空間から出すつもりは微塵も無い 脱出したくば能力で全てを壊せ>

「ぐすっ……もしそんな事をすれば………リフさんも…死んじゃうじゃないですか…」

<私の事などどうでも良い 要はこのくそったれな世界が消えれば良いのだ>
<私はこの世界の終わりと共に私も死ぬつもりだからな その心配は無用だ>
<さぁ…そろそろ覚悟は良いか?今からお前は死ぬか脱出するまで魔物達と戦ってもらう>

「そんな……どうして……」

<どうしてだと?魔物達と戦えばお前は死ぬか強くなるかのどちらかの結末になる>
<魔物達に勝ち続ければその内能力も使えるかもしれないだろう?>
<死ねばそこまでの存在だったわけだ 私は今まで通り破滅の準備を進める>
<魔物達はいくら殺しても構わんぞ?無限に出てくるからな>
<そうだ…武器をやろう 話では戦えないんだったな…それで戦い生き抜いて見せろ>

天空から剣が振ってきて派手な音を立てて地面に落ちる

「うぅ……信じてたのに…どうしてぇ……うっ……ぐすっ……」

信じてた者に道具として見られ…どうでも良いと言われ…
どのような結果であれもう生きてリフに会えない事を悟り涙が出る

<私を信じてくれたのか?ありがとな…ならお前の信じる私の為に世界を壊してくれよ>
<世界を壊せるくらい強くなればお前はお前自身の意思と力で別世界へ避難できるさ…>

リフの言葉が続く度に闇に浮かぶ魔法陣が光を増す

<さらばだ…精々このクソな世界をぶち壊してくれる事を祈ろう>

その言葉と共に魔物達が召喚される

「うわあああぁぁぁああぁぁあ!!!」

泣きながら剣を取り 我武者羅に魔物達に向かって走った











「ガアァァァッッ!!」

魔物達は比較的小さく 剣で斬ればすぐ死ぬ程弱かった
しかし斬っても斬っても魔法陣から召喚されていく

「グアァァァッ!!」

「くっ…このぉ……」

背後から噛み付かれ私はすぐに噛み付かれた魔物を蹴り飛ばしダウンしたそいつを斬る

いくら剣で斬ればすぐ倒せると言っても弱いのは私も同じ
すぐに疲れ何度も攻撃を食らう

「ギャアァァァアアッ!!!」

「はぁっ…はっ…はぁっ…」

またも魔法陣から魔物が召喚される
召喚される魔物達は段々と大きくなってる気がする…
今度は何か飛んでる奴まで出てきた 流石にアレは剣で倒せと言われると難しい

「キシィィィィッ!!」

飛行してる魔物から棘のような物が無数に飛んでくる 何とか避けたが
遠距離攻撃を持ってるのか…これじゃいずれあの魔物にやられる…
他の魔物達と戦ってる最中に棘を飛ばされたら避けようが無い…どうすれば…

「はっ…はっ……うぅ…くそぅ…死にたくないよぅ…」

「ガアアァァァッッ!!」

逃げ回る私を追走する魔物達 振り返って見れば…6体程追いかけられている
しかも結構速くある程度距離が詰まると飛び掛ってくる

「ちっ…はぁっ!」

飛び掛ってきた魔物に対しては剣で処理する
斬る度に返り血のようなものが身体に掛かって気持ち悪いが四の五の言ってられない

「シャァァァッ!」

またも棘が飛んでくる あぁもう!ホントどうにかできないかな…アレ
分離前の記憶を元に霊力弾を作ろうと試みるも弾を作る余裕が無いし作れるかもわからない…

「ホォォォオオオオ!!!」

今度は今までの犬型では無く何か…戦車みたいなのが出てきた 嘘でしょ…
しかも犬型の魔物の量が異常に増えているし飛行型も数が増えていた
今も魔法陣から次々と召喚されている

「くぅっ!」

戦車型の魔物からレーザーが放たれ転んでしまう
それに追撃するように飛行型の魔物から攻撃が襲い掛かる

「ぐっ…あぁっ……!」

攻撃をもろに食らってしまう そして囲まれてしまった……ここまでなの…?

「ならせめて…最後に…あがいてやる…!」

私は霊力弾を撃とうと試みる
霊夢と分離したから分離前の記憶は役立たずかもしれないが一か八かだ
記憶を元に弾幕を張ろうと手をかざす

すると何やら壁みたいなのが出てきた 禍々しい赤黒い壁だ 何かぐにゃぐにゃと光が蠢いている
私は弾幕を張ろうとしたのに…何だろうコレ?
透けて向こうの景色が見えるけど……間違って結界を張っちゃったのかな?

「シィャァァァァアアッ!!」

飛行型の魔物がその壁に向かって棘を放つ しかし棘は壁に吸収されて消滅した

「ガアァァァッ!!」

今度は背後から犬型の魔物が飛びかかる こっちには壁が無い!
噛み付かれてしまった

「ぐぁあああ!!!」

振り解こうとぶん回すも放してくれない
しかし魔物の身体が壁に触れるとその触れた部分が消滅した
急に身体を切り離された苦しみからかようやく噛み付きから解放された

今の内に剣を拾おうとするが…剣は魔物達の包囲の外にあった 何であんな遠いところに…
転んだ拍子にぶっ飛んだのだろうか…これじゃこの壁しか頼れるのが無い…

「もう一枚…張れるかな…」

先程同様弾幕を張るような感覚で手をかざす もう一枚出た…コレで前後は多分安全…多分…
犬型の魔物達が飛び掛ったり飛行型の魔物が棘を飛ばしたり戦車型の魔物が砲撃してきてるが
全てこの壁に吸い込まれて消滅している

「これなら………」

開いてる部分にも壁を張ってみる ………うん、やはりあの弾幕を張る様な感覚でこの壁は出るようだ
これで前後左右、勿論上にも壁を張って安全地帯を作る事が出来た

「ガアアァァァッッ!」

「ひっ!」

先程から犬型の魔物が飛び掛って壁に消えていくのだが…かなり怖い
この壁が破られないという保障は何処にも無いのだ
それに最初期の頃と違って犬型の魔物も相当でかくなっている
気づけば飛行型が放つ棘も大きくなってるのに気づいた
やはりこいつ等は時間経過で強くなるのだろう………この壁大丈夫かな?

「せめてあの魔法陣を処理できれば…」

魔法陣を消せば魔物達は召喚されない
しかしどうすればいいのかわからなかった…

「魔法陣にこの壁を触れさせれば消えるかな?」

しかし魔法陣は相当遠くにある
近づくにはこの安全地帯から出て魔物達の包囲を突破しなければならない

「………せめてこの壁ごと一緒に移動できたらな…」

試しに恐る恐る壁に触れてみる………どうやら自分は消えないらしい
ぐっと押してみるもビクともしなかった 押して移動はダメですかそうですか…

「ゴオオオォォォォ!!!」

戦車型の魔物からビームが撃たれる 壁で吸収され私は無事なのだがやっぱり怖い

「うぅ…せめてこっちから攻撃できれば…何とかならないかな…」

手をかざし弾を撃つ感覚で霊力を込めるも何も起きない…
単発の感覚だと壁は出ないようだ 弾幕を張る様に無数に出す感覚だと壁が出る

「壁は出せるんだよなぁ…もしかして壁しか出せないのかな…」

壁しか出せないとしたらこの状況を打破するのは大変だ
移動して今の此処と同じように安全地帯を作って移動を繰り返して魔法陣まで行かなきゃならない
でも………

「グギャアアァァァァアアアッッ!!」

最初ならともかく今の状態で外に出るのは嫌だった
あんなに弱かった犬型の魔物でさえ今では私の4,5倍程はでかく(最初は私の半分も無い大きさだった)
しかも時折口から炎を吐いてくる 勿論壁で吸収されて炎は消えるが…

飛行型魔物も凄まじい速度で飛び回ってあちこちから棘を撃ってくる
何か色が違う棘もあるっぽいけど棘が速すぎてよくわからない 錯覚かも

戦車型魔物は…こいつが今の所一番やばい
さっきからこいつの攻撃で他の魔物達が消し飛んでるのだ
でも魔物達はすぐ湧いてくる上飛行型魔物の攻撃は止まないので動けないのは変わらない
壁で攻撃を防げなかったらと思うとゾクリとする

どうしようと悩んでる内にまた新しい魔物が出てきた 今度は巨人だ
大きい鎧みたいなのがどでかい剣を持ってこっちに来る

「………どう考えてもあの剣じゃアレ倒せないよね?」

あの剣ってのはリフから渡されたお情けのあの剣だ 今ではもうどの魔物にも通用しそうにない
そしてアレって言うのは当然今出てきた巨人だ

「フィシィィィィ!!!」

「うわぁぁっ!嫌あぁぁ!!」

巨人が大剣を振り下ろす 思わず頭を庇う
大剣は壁に飲み込まれ壁に触れなかった部分だけが残った

「さ、流石に今のは防げないと思ったけど…この壁凄いわね…」
「でもさっきより動けないのは確かか…はぁ……どうすれば…」

「グアァァァァッッ!!」

「ひっ!」

今度は大剣を突いてきた だが剣は全て飲み込まれ消滅する

「オォォオォオオオオッッッ!!」

今度は近くに居た戦車型の魔物や飛行型の魔物をを投げ付けてくる 怖い怖い怖い!!
投げ付けられた魔物は壁に飲み込まれて消滅した

「ギィィアアアアアアッッ!!!」

今度は踏み潰そうとしてきた 頭を庇って蹲る

バキバキバキッ

そんな音を聞いて思わず上を見ると巨人が飲み込まれている最中だった 断末魔を上げている
吸い込まれるように巨人は壁に飲まれて消滅した
一部分が触れると全てを飲み込もうとするのかな?凄い吸引力だ

しかしいくら攻撃が効かないと言っても状況が良くなるわけではない
何せ自分を助けてくれる存在は何処にも居ないのだ
例え全ての攻撃を防げたとしても何れ私は此処で朽ち果てる…

「リフさあぁぁん!お願い!!出してぇ!此処から出してよぅ……」

リフに懇願するも返事は無い

「うぅ……もうヤダ……」

此処はリフの異次元空間 味方は居ないし誰も助けに来ない…
四方八方には無数の魔物の群れ
どこからでも攻撃が飛んでくるし止む気配も無い
少しでもこの壁の結界から出れば私は即死するだろう


ビキッ


嫌な音が聞こえた
見れば壁に皹らしきものが入っている

「嘘……嫌……嫌ぁ……壊れないで……」

そんな私のお願いも通じず皹は大きくなる
私は即座に新しく壁を張った 二重にすれば壁が壊れても大丈夫の筈 そう思って張ったのだが…

「え…?うそ…嫌……」

新しく張った壁も何故かすぐに皹が入る
新しい壁には魔物達の攻撃に触れてもいないのに何故?

「嫌……お願い……うぅ……死にたくない……!」

壁を張ってもまたすぐに皹が入る

「お願い…壊れないで……ぐすっ……お願いだから……」

必死に懇願しつつ壁を張る 皹が入る

「どうして…なんですぐに皹が入るのっ!」

ぐしゃぐしゃに泣きながら壁を張る 皹が入る

「どうして…どうして…どうして……!」

涙で前が霞んできた…でも負けじと壁を張る 皹が入る

「死にたくないぃ……うっ……うぅ………死にたくないよぅ………」

壁を張る 皹が入る

「折角…大丈夫だと思ったのに……こんなのってあんまりだよ…」

壁を張る 皹が入る

「信じてたのに…なんで私をこんな目にぃ……ぐすっ」

<言ったはずだ…お前などどうでも良いとな>


ガシャン!!


壁が壊れ そこで意識は途絶えた















霊禍が死んでおよそ3000年後

「準備は整った…」

リフはその世界の全てを滅ぼす禁術を完成させていた

「愚かなあいつ等を…腐ったこの世界を…ようやく終わらせる事ができる…」

幾度と無く戦争を繰り返しその度に都市や層が増え
その度に拠点を増やしていったが もはやその必要は無い

「せめてあの小娘が生きていればこんなに苦労する事は無かったものを…」

あの小娘とは霊禍の事だ 3000年以上も過去に突如として第一都市に現れた少女
クリェドゥスの能力により素晴らしい能力者だと解ったが その能力を開花できずに死んだ…
いや…殺したが正しいかもしれない あんな空間に送ったのは他ならぬリフ自身だからだ

「そういえばあのジジイもあれ以来見てないな…死んだのだろうか…」

あのジジイというのはクリェドゥスの事 934億年も生きているからそうくたばりはしないだろうが…
想像もできない能力者の手に掛かって死んだのかもしれない
とにかく霊禍が死んだあの日以降一度たりとも見た事は無かった

「まぁそれもどうでも良い事…」

1000億歳の誕生祝を祝えないのは少々残念ではあるな…
だがそれも叶わぬ夢 世界を滅ぼす大罪者である自分にもはや夢や望みは要らぬ
そして後悔も無い 行き着く先は何も無い"無"だ 全てが解放される…

「さぁ…私からの最後の餞だ!」
「この世界の…ありとあらゆるモノを解放せよ!」

その言葉と共に全ての都市、全ての層にあるリフの拠点が光る
光はあっという間に大きくなり世界全体を眩く照らす


そして、一つの世界が跡形も無く消滅した










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あとがき

第八話終了 いや〜…平和回でしたね……ごめん…どう見ても平和じゃないねw

返せ!七話にあったあのおふざけの雰囲気を返せぇぇ!!

はいと言う事で八話でした どうでしたか?
もし七話でリフさんを良い人だと思った人が居るなら一言「すまんね」
今回は戦闘シーンの練習で禍たんを襲わせましたが…うん…戦闘難しいよ…上手く表現できぬぇ

ともかくようやく能力を行使できました〜 いや…長かったね
まぁアレですよ Lv1で大部屋モンスターハウスに入ったら誰でも死に物狂いになると思うんだ
だから我武者羅にやったら何かできたとかそんなんです
一応理由っぽいのは付けましたが無理矢理すぎたかねぇ
でもまだ1つの事しかできません しかも防御型なので攻撃には使えませんね〜

とりあえず適当に説明していきましょう
今回禍たんが使った壁は『ディメンション・ウォール』です
SSという事でMUGENと違ってぶっ飛んだ性能になってます 別に良いよね
むしろ再現できないMUGENが悪いんだ!わたしゃ悪くねぇ!w

ディメンション・ウォールはありとあらゆる全てを吸収し消滅させる事ができます
ただし術者である禍たんのみただの壁として扱われます
要するにどんな攻撃でもその壁に触れれば吸収&消滅するわけですね
ちなみにこの壁で消去したものは実は任意に取り出し使う事ができます 便利ですね〜
しかし当然今の禍たんではただの吸収しかできません
その内八話でさんざん吸収した魔物達と魔物達の攻撃を行使できるようにしたいです
また禍たんの意思次第で通過可能となります
勿論通過を許可すれば誰でもどんな物でも通過可能となります(ただし許可したもののみ)
融通が利く便利な壁なのです ぶっちゃけチートです

では何故ディメンション・ウォールが破れたのかというと
この壁の強度は禍たんの心の強さに比例してます
要するにこの壁をぶっ壊したかったら禍たんをトコトン絶望させれば良いわけですね
皹が次々入ったのは禍たん自身が「もう助からないかもしれない」と思ってしまったからです
それでも多少の希望があったのですが最後のリフの言葉によって
完全に希望も打ち砕かれてしまったんですな 当然守るものが無くなったので魔物達の攻撃で即死です

第八話でディメンション・ウォールが吸収したモノは以下の通りです
犬型魔物Lv1〜10
飛行型魔物Lv10
戦車型魔物Lv10
巨人型魔物(大剣装備)Lv10
犬型魔物の吐いた炎Lv8〜10
飛行型魔物の棘Lv3〜10
飛行型魔物の毒針Lv8〜10
戦車型魔物のレーザーLv5〜10
戦車型魔物の砲撃Lv5〜10
戦車型魔物のビームLv8〜10
ここで言うLvっつーのは魔物のLvね 高いほど強くなります 上限Lv100
Lv10までしか無いのはその時点で禍たんの心が折れてしまったからですね
んで吸収したこれ等は無限に何回でも好きなように行使できます(今は無理だけど)
やったね禍たん!あの怖かった魔物達が今度は味方として使えるよ!(今は無理だけど)
魔物の強さはー…Lv1犬型魔物が狼くらいの強さ 参考にならんか…
Lv10犬型魔物が戦車並の強さ 多分
Lv10飛行型魔物が戦闘機並の強さ 多分 音速を余裕で突破して飛行できます
Lv10戦車型魔物がフリーザ様(DBのあの方)を瞬殺できるくらいの強さ
Lv10巨人型魔物がLv10戦車型魔物1年分?ぐらいの強さです
攻撃での強さ参考(?)はこれくらい↓
犬型魔物の炎Lv10→1発で山が消し飛ぶ
飛行型魔物の棘Lv10→1発で岩山に風穴が空く
飛行型魔物の毒針Lv10→地面に刺さろうものなら1発で大地が腐る
戦車型魔物のレーザーLv10→一瞬で鋼鉄の塊に5kmくらいの穴を空けられる
戦車型魔物の砲撃Lv10→大型ミサイル100発分くらい
戦車型魔物のビームLv10→1発で大陸が消し飛ぶ

…何か早速インフレ起こしてますが 禍たんは力不足なので今は吸収したモノを出すのは無理です
巨人型魔物を吸収できたのは運が良かったですね〜
ここの魔物達は全員最初の世界の洞穴ドラゴンを余裕でぶち殺せますので
出せるようになったら俺TUEEEEになるのは間違い無しかもしれないですね!w
っつーかこいつ等は超危険なので巻き込まれないようにしないといけないね コレ出番無いだろ…w

出番が無いかもしれないので魔物達紹介
犬型魔物
暗い紫色で赤い牙を持っていて腹の部分が何か透けて内臓が見えるグロいワンちゃんです
ある程度強くなると炎、氷、雷を吐くようになります んで強くなるほどドス黒くなっていきます
Lv100になると頭が3つに分かれて有名なケルベロス風味になります

飛行型魔物
脚は4本で翼は3対もあり鮮やかな青色をしています
羽根の先や胴体に黄色や赤色の線模様があり結構派手です
翼から棘を放って攻撃してきます ある程度強くなるとバリアを張りあらゆる遠距離攻撃を無効にします
Lv100になると全身が燃えて有名なフェニックス風味になります 蘇生能力もバッチリついてうざさUP

戦車型魔物
脚は三本で前足二本後ろ足一本の形です 三輪車の後輪部分が前輪って感じ
やや機械的な容姿で機械と獣を合成させたようなそんなグロさがある 色は全体的に赤茶色
腹となる部分から砲撃やビームを放ち肩にある砲台や口からレーザーを放つ
近づかれても腕があるのでちゃんと近接戦闘でもできます(デカイので力もつおい!)
Lv100になると何故かケンタウロス風味になり武装する上下半身部分から雷撃を放つようになる

巨人型魔物
格好良い鎧が巨大化してそのまま動いてるようなモン 大剣装備 色は銀色
力が純粋に強く衝撃波やら何やらで広範囲に攻撃できる
Lv100になるとギルガメッシュよろしく腕が増えて
ヤバイ効果を持つ武器を沢山使うようになる あと金色化

折角こういう設定作ったからにはD・ウォールで取り込んだモノは強化可能って設定にしようそうしようw


本当はこの世界ね…三都市の戦争に巻き込まれて死亡という結末にしようかなと思ってたんですが
そうなるとリフの扱いに困る上何故急に戦争するんじゃボケェってなるし
能力開花できなさそうなので廃案になりますた
え?死亡エンド自体を止めろ?それじゃタイトル詐欺じゃないですかぁー!
まぁいずれ…ハッピーエンドに……したいなぁ

さてさて…次はどうしようかね…まぁ書きながら考えるよ うん

それじゃ何時まで続くか…完結できるかどうかは知りませんが 次話あとがきで会いましょう


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